エステに携わる人の中には、自宅でサロンを開業するという夢を持っている人も少なくないでしょう。しかし、自分が暮らしている住居の一部分を仕事場にするには、いくつか注意したいポイントがあります。改装前に要点を押さえておけば、自宅開業は難しい事ではありません。今回は自宅サロン開業にあたって、内装を整える際のコツや注意点を見ていきます。
生活感は極力出さない
自宅をエステサロンに改装する場合、自分はもちろん家族が普段使用している玄関や廊下などのスペースとお客様が使用・通行するスペースが共用になるケースが多々あります。しかし、自宅を仕事場にしている以上、生活感が出てしまうのは当たり前だと思わないようにしたいものです。店舗側からすれば自宅兼職場であっても、施術を受けるお客さんから見ればサービスを受けに来ているサロンだからです。お客さんはサロンに対して非日常感や特別感を求めています。その意識を持って内装を整える事が大切です。生活感を隠しつつ、お客様が特別感を感じられるゴージャスな雰囲気を演出しましょう。
例えば、お客様がエステサロンに入って一番最初に目にする玄関では、収納スペースを上手く利用して家族や自分の靴が見えないように工夫する事が重要です。お客様用のスリッパやちょっとしたインテリアを用意して、「家」である事を感じさせないようにしましょう。勝手口がある家ならば、サロンの営業時間中は家族にそちらを使ってもらうのも1つの方法です。
トイレもサロンと自宅の共用設備として使用せざるを得ない場合があります。そうしたケースではなるべくこまめに掃除して清潔に保っておくだけでなく、アロマや小物を活用するなど工夫するのがおすすめです。
清潔感は欠かせないポイント
エステサロンという場所は、お客様の肌や身体に直接触って施術を行います。清潔感が足りない空間や設備の中で身体を触られて気分の良い人は居ないでしょう。お客様との距離感が近い仕事だからこそ、店内の清潔感は欠かす事の出来ないポイントです。
掃除を怠らず店内を毎日キレイにしていても、お店となれば人の出入りが激しいためホコリが立ったり、誰かの髪の毛が落ちてしまうことはよくあります。お客様が入れ替わるタイミングで都度清掃したとしても、隅々まで完璧に掃除する事は難しいでしょう。こうした状況をカバーする為には、内装を工夫すると清潔感を演出できます。
清潔感のある色として「白」を思い浮かべる人は多いかもしれません。しかし、壁紙や床に真っ白な素材を配置するとかえって付着したホコリや髪の毛、汚れなどが目立ってしまいます。内装に使う素材は濃いグレーやブラウンなどを中心に配色すると汚れが目立たず、スタッフの清掃負担を抑えつつお客様の目にも清潔感のある空間に映ります。所々に柄や模様の入ったものを使用する事で細かいホコリなども目立たなくなるのでおすすめです。
「実際に清潔に保つ事」と「清潔感のある空間を演出する」という事は、人気サロンになる為に大切なポイントになります。
コンセプトに基づいた統一感
自宅をエステサロンに改装すると決めたら、まずはお店のコンセプトを明確にしておきましょう。メインのターゲット層を決めたり、内装デザインを南国テイストやカフェテイスト、北欧テイストにするなどアイディアは人によって様々です。そして、そのコンセプトに基づいて一貫した店舗デザインに仕上げる事が重要になります。
例え、施術を行うメインルームをコンセプトに沿ったこだわりの内装に仕上げたとしても、そこへ続く廊下部分やエントランスに自宅としての生活感が大きく残ってしまっていては台無しです。お店のテイストに合わせ、導線部分もこだわってデザインする事がサロンとしての雰囲気を演出する為のポイントになります。
また、店内で使うインテリアやBGMも細かく気を配って選びたいものです。高級感のある内装に安っぽい小物を置いたり、北欧テイストの内装なのにJ-POPが流れていたりするとコンセプトが揺らいでしまいます。お客様の目はお店の細かいところまで届いているという意識を持って、自分が思い描く理想のコンセプトに基づいた統一感のあるデザインを心がけましょう。
雰囲気作りに役立つ間接照明
エステサロンを訪れるお客様の多くは、日常の喧騒や仕事などの疲れから自分を解放してくれる非日常的空間を求めています。サロンとしてのクオリティを向上させるには、この非日常感を如何に演出出来るかが大きなポイントです。
費用を抑えて非日常感を演出出来るアイテムとしては、間接照明がおすすめと言えます。一般的な家庭では蛍光灯のような明るい照明を使用している事が多く、少し光量を抑えた間接照明を店内にセットするだけでもアクセントになるからです。間接照明はデザインや素材の種類が豊富であり、お店のコンセプトに合わせて最適なものを選べる事もメリットと言えるでしょう。設置する場所や照明の数、光の向きを調整する事で幻想的な非日常空間を演出する事が可能です。また、オレンジっぽい暖色系の光を発するものや定期的に光が揺らぐ機能が付いたものを用いれば、エステの癒し効果を更に高めてくれるでしょう。
光の使い方1つでその空間の印象はガラっと変わるものです。お店のコンセプトに合わせて、お客様がいつまでも居たくなるような癒し空間の演出を目指しましょう。
徐々に充実させていく
非日常的な空間の演出が重要なエステサロンでは、普段の生活ではあまり取り入れないようなインテリアや設備が必要になる事もあります。しかし、開店準備を焦って最初から完璧な内装に仕上げようとする事はおすすめ出来ません。開店に合わせて一気にインテリアを揃えても、実際に配置してみるとイメージと異なったり、スペースに余裕が無くなってしまう事は珍しくないからです。せっかく投資した初期費用が無駄になってしまうという事態は、営業利益が中々安定しない開店直後の時期には特に痛手となります。
開店に合わせてまず優先して整えるポイントは、居心地の良さと清潔感に絞りましょう。この2つは1度サロンに訪れたお客様がリピーターになってくれるか否かを分ける重要なポイントです。居心地の良さを向上させるアイテムとしてはスリッパやタオル、施術台のシーツ、待合室に設置するソファなどお客様が直接触れる機会があるものが挙げられます。清潔感を意識した壁紙や床の敷物を決めたら、コンセプトに合わせて居心地の良さを底上げするものから揃えていきましょう。
収入が安定してサロンの雰囲気も固まってきた頃合で、店舗デザインを仕上げる為のインテリアを導入するのがおすすめです。観葉植物やアンティーク調の家具、モダンなデザインの照明やオブジェなどお店のイメージをブラッシュアップするアイテムを選んでみてください。
お客様目線で内装を考えよう
自宅サロンは自分や家族の住居でありながら、お客様から見れば数あるエステサロンの一つです。まずはお客様目線になって内装やインテリアを考え、何回でも通いたくなるような癒し空間を作り上げる事を目指しましょう。その為にはまず生活感を抑え、高級感や非日常感を意識したコンセプトを明確にしておく事が重要です。清潔感と居心地の良さを優先して内装を整えれば、満足度が高い内装に仕上がります。開店直後であれば、お客様にアンケートを取ってみるのも良いでしょう。
LMSレンタルサロンではサロンで独立開業する際の初期費用を抑えるプランを用意しています。設備が整ったレンタルサロンで開業前の腕試しをすることもできますし、技術も学べます。集客方法のノウハウ伝授や事業保険のご紹介も行っていますので、初めての独立開業でお悩みの方も是非一度ご相談ください。